国際派に資格は不要 - 5月12日 本日発売 AERA
5月12日発売の週刊AERAに寄稿した。コメンタリー「明日はどっちだ」というページで、最近の資格ブームに疑問を投げかけている。
世の中は不景気だ。だからビジネスマンは資格取得に走る。最近、MBAブームが再来していることもそのひとつ。MBA関連本が書店の店頭に復活しているのだ。しかし資格を取得したからといって、その投資に見合うかというと、これが実際には厳しい結果となっている。転職の現場にいる私は、そう実感している。
ボーイスカウトの教えに、「常に備えよ」の精神がある。日本人は、不景気になると、「資格でも取って他の人と差別化をしなきゃ」と思うことが多いようである。これも一種の「備え」という感覚による現象なのかもしれない。
しかしMBAの場合、特にその主流である海外留学を伴うとすると、時間とお金と労力の投資は、ものすごいレベルに達することになる。このハードルの高さゆえに、投資に見合わず、取得後になって厳しい現状に失望する人が多いのだ。
厳しい現状とは具体的に何か。キャリアアップ、給料アップに必ずしも効果をもたらしていないということだ。海外の一流大学のMBAを取得しているからといって、転職の現場でそれが重要視されているというケースがあまりにも少ない。そのため、MBAに投資すれば、確実な備えになるかというと、そうでもないのである。
たとえば、 東大を卒業しているからといって、リストラされないか、転職で優位かというと、最近はかえって逆効果であることが多い。「東大生はつかいにくい」という説は、産業界でその声が強い。外資系の世界で活躍している東大出身者はほとんど目立たない。日本人のMBA取得者も、日本の高学歴志向の一環として捉えられていくと、下手すると「つかいにくい」などという不名誉な結果をもたらす恐れがあるのだ。もちろん一部に例外はいるが、実感としては少数派である。。
なぜか。東大生と日本人のMBA取得者には共通点があるからだ。どちらも卒業時には「劣等生」であるという点が共通点である。東大生は在学中に勉強しないから劣等生であり、最高学府というには学生たちは皆名前負けする。
日本人のMBA取得者はどうか。勉強意欲はあるが、英語によるコミュニケーション力が足りずに、欧米、アジアの留学生と比較して、圧倒的に「劣等生」であるのが現実だ。何とかお情けで卒業させてもらっているといっても言いすぎではない。多少の例外は当然あるが、MBA取得後に出身国以外で就職するアジア人がいるのに比べて、日本人はほとんどいないことからも、このことは明白である。
では、日本人はどうしたらいいのか。私は「国際派には資格は不要」と常に主張している。その真意については、ぜひとも5月12日発売のAERAをご覧になってほしい。ではみなさん、良い一日を。
