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「デキる上司は休暇が長い」
小松俊明 著 (あさ出版)

2003年10月25日

東京モーターショー

東京モーターショーが開催中である。ボクはこの時期、毎年キャンペーンガール、もとい最新の車を眺めに足を運ぶことにしている。知らない人もいると思うが、東京モーターショーは毎年この時期に開催されるが、トラックなどの商用車と、一般の乗用車の年と交互に行っている。

昨年はトラックなどの商用車の年だった。 乗用車は商用車と異なり、言うまでもなく、派手である。ポルシェ、アウディ、メルセデスベンツ、BMW、プジョーなど、スタイリッシュでお洒落な車が今年も目白押しである。ボクは、自動車業界の採用に多くかかわっているから、この展示会では、毎年知り合いに会うことが多い。旧交を温めるよい機会であるのだ。

一方、驚くことではないのだが、こうした場では、同業のヘッドハンターとも出くわすことがある。「おいおい、ボクが親しいあのビジネスマンが、えっ、あのヘッドハンターとも親しいの?ショック。。。」みたいなことも、たまにはある。 展示会場では、もちろん、新しい人との出会いもある。 ボクは意外と車 (キャンペーンガールも) に目がいっていて、なかなかヘッドハンティングをするような対象者との出会いはないのだが、意外にも、ヘッドハンターらしき人が、あんなざわさわとした展示会会場で、なんだか口説きモードに入っていることを見ることがある。一般客だと思って親切に車の説明をしようと近寄ってきた説明員に、「こんな仕事あるけど、どう?」なんてやるのは、ボクはちょっとデリカシーにかけているような気がしてしまう。だって、その転職先として提案している車のメーカーのブースが10メートルしか離れていないところにあったりするのだから、何とも不思議なものだ。

そういえば、昨年の東京モーターショーでは、面白いことがあった。ボルボのトラックはやっぱりすげーや、と感動して歩いていたら、いきなり目の前に外国人が立ち尽くしており、ボクに日本語で話しかけてきた。「ちょっと時間いいですかー」なんで東京モーターショーで、宗教の勧誘を受けなきゃいけないんや (こんなときはなぜか関西弁を使いたくなるが、ボクは東京生まれである)、といぶかしげに彼の顔を覗き込んだら、何かどこかで見た顔のような気がする。

気にせずに、「何や」と (いやホントはもっと優しくこたえているけど) こたえると、「キャリアに関心はあるか」という。何だそれ!ワイは車とキャンペーンガールの鑑賞だけで忙しいんやでー、と思いながら、引き続き話を聞いていると、この外国人は、ボクをボルボの社員だと思っていることがわかった。このあたりで、ボクはぴんと来た。「同業者だ!」 

そのアト、ボクは自分の素性をすぐに明かした。どこかで見た顔だと思ったのは、会社の近くでよくすれ違う男だった。会社名を聞いたら、やっぱり僕の会社の近くにある競合先の外資系ヘッドハンティング会社のスタッフというじゃないか!ボクは別れ際に、「よかったら、うちで働かない?」と、逆ナンパならぬ、逆ヘッドハンティングしておいた。効果のあるなしは別にして、彼の積極性を買ったからだ。なごやかな雰囲気のまま、ボクは彼に別れを告げ、引き続き、美しい車と xxxのボディーの鑑賞に戻った。

今年、ボクは10月29日水曜日の午後、東京モーターショーに行く予定にしている。 今年はどんな出会いがあるだろうか?外国人ヘッドハンター諸君、そろそろ僕の顔を覚えてね。なんだかワクワクしてきた。

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2003年10月19日

なりたい自分って何?

『なりたい自分』と『今の自分』。そこにはどんな違いがあるだろう?20歳の頃には、『今の自分』にかかわらず、『なりたい自分』のことだけを考えて生きていた。 30歳になって感じたことは、『なりたい自分』に迷いが生じたことだ。そんなときに気がついたことは、『自分の得意なことで勝負すべきだ』ということだった。つまり 『なりたい自分』とは、『成功している自分』というイメージに、微妙に軌道が修正されたのだ。それから6年たった今も、ボクは、自分の得意なことで勝負することを常に心がけている。仕事はもちろんそうだし、プライベートでも基本は同じだ。

『自分が得意なこと』に集中するようになったら、楽になった。結果が出るからだ。いい成果が出るようになると、もっとがんばろうという気持ちになる。ボリュームで一定の成果を出せたら、次はクオリティーを高めようというのも、自然な流れ。でも自己満足もいいけれど、やっぱり人に認められたい。だから、『相手に求められている結果』を出さなければならないのだ。ひとりよがりじゃダメだ。それじゃもの足りない。相手を満足させなければ、自分も満足できない。『なりたい自分』に近づくこともかなわないのだ。

『なりたい自分』と『今の自分』。その違いに悩むことはない。目の前のチャレンジから逃げないことが大切だ。ひとつひとつのチャレンジをクリアしていけば、いずれ『なりたい自分』になっている。ボクはそう思って生きている。

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2003年10月12日

豊かな感受性と、ゆるぎない向上心が成功の鍵!

2003年10月12日(日) 
最近のことなのですが、駒澤大学経営学部のある学生さんが、私の近著を読んで書評を書いてくださりました。ゼミの課題であったということです。その書評をゼミのホームページ上で公開していらっしゃいました。面白いもので、このことを私の知り合いのビジネスマンの方が、私に教えてくれました。

その書評にご興味のある方は、以下のリンクをご覧ください。とてもよく書いてくれています。ありがたいものです。
http://www.komazawa-u.ac.jp/~kashima/bookr/05ki/hirota03a.html

このゼミは、駒澤大学経営学部のゼミで、2年生から4年生まであわせて19名いるそうです。ゼミを主宰する鹿嶋秀晃助教授は、「終身雇用」といわれる日本型雇用システムの特質の把握と、その管理論的な意義を研究されています。ちなみに、ゼミのHPのリンクは、http://www.komazawa-u.ac.jp/~kashima です。私はこれを機会に、もっと大学とも交遊を深めていきたいと考えるようになりました。

私はこれから社会人になるという学生さんにお会いすることは、仕事上めったにありませんでした。どちらかというと、中高年といわれる世代、いわば既に10年から30年近くもビジネス人生を歩んできているという人物との接点が多いのが私の仕事の特徴です。それがゆえに、最近の学生がどのような思いで、社会人になろうとしているのか、今回の縁を機会に関心を持つようになりました。

時代は急速に変わってきました。現在40代、50代のビジネスマンたちは真剣に悩んでいます。自分の将来に不安を感じている人も少なくありません。何が世の中で評価される時代なのか、どうすれば人生を豊かに生きていけるのか、このような根本的な問いに対する答えを模索している人が増えてきました。

私の考えを先にご紹介します。それはタイトルに示したとおり、『豊かな感受性と、揺らぎない向上心』 が、世代の較差なく、これからの時代で成功する鍵だということです。今日は、そんな私の意見に関して、もう少し具体的に説明してみたいと思います。

社会環境 (国際情勢も含めて) や社会構造 (高齢化社会、少子化などを含めて) が変わってきました。かつてない急速なピッチです。これまでの社会を支えてきた価値観、たとえば学歴社会、年功序列社会、大企業至上主義、外国のものを嫌ったり排除しようという考え方などに、あまり意味がなくなってきました。たとえばこのような変化に対する『豊かな感受性』を持っているかどうか。自分が感じたことに忠実に反応して、自分の将来のためになる具体的な行動をはじめるための『揺らぎない向上心』を持っているかどうか。何とかなるだろうと、思考を停止、もしくは結論を先延ばしする人と、危機感を持って、その場で将来のための行動を開始する人、この差が大きな差になっています。

いわば『寄らば大樹の陰』というつもりで大企業に就職していく人が多いのは、今も昔も変わりません。学生だけではありません。これは日本人に特に強い国民性なのです。 一方で、そうした大企業勤務に関心がないという若い世代も増えています。自分が一生飯を食えるようなスキルを身につけて、いずれは独立したい、もしくはコンサルティング会社に勤め、コンサルタントとして、特定の業界で名の知られた人物になりたいと考える人が増えているのです。

最近の流行で言えば、『金持ち父さん貧乏父さん』の著者であるロバート・キヨサキがいうような『経済的自由』 (ファイナンシャル・フリーダム) を獲得することを将来の目標にして、自立的なビジネスマン像を抱く人も増えているようです。

外資系企業に勤めたいと考える人も増えてきました。外資系の世界には、基本的には日本的な学歴社会がほとんど存在していませんから、従来、腕に自信のある人の参入の多い世界でもありました。最近は、日本の大企業が面白くないからという理由で、外資系企業を目指す人も増えてきました。

『入社時に配属先すら自分で選べない日本の大企業勤務など、自分の長い将来のことを考えれば、とてもリスクの高い選択ではないですか。』 先日会った、外資系企業への就職希望の学生がそう言っていたことは印象的でした。 

『豊かな感受性』を持っているかどうか。自分の将来のために、具体的な行動を始めているか。『揺らぎない向上心』を持っているか。世代に関係なく、私たちは常に自分に対して、この問いかけをしながら進化し続けることで、将来不安を払拭できるものです。

自分の目で見て、頭で考え、心で感じたことを大切にして、謙虚に、そして積極的に生きていきたいものです。LIFE IS AN ADVENTURE.

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2003年10月03日

今、米国ビジネススクールで教えていること

米国のシカゴ大学院ビジネススクールで教鞭をとる教授が来日した。彼女が今、MBAコースで教えていることをそっと教えてくれるというから、僕は彼女の泊まる六本木ヒルズにあるグランドハイアットホテルまで、期待に胸を膨らませて行ってきた。

約束の時間ぴったりに、ブロンドの髪を短く刈り上げた長身の女性が現れた。グランドハイアットの2階には『フレンチキッチン』という名の、ちょっとしゃれたカフェがある。彼女は、その店の雰囲気に、まさにぴったりの女性だった。

米国のビジネスシーンでは、最近、『がんばること』、そして『相手をレスペクト(敬意をもつ)すること』が、真剣に論じられているという。意外に思う人が多いに違いない。米国人の多くは、ことさら職場においては終業時間ぴったりに帰宅するなど、いたって『がんばらない』イメージがある。また職場で上下関係があるからといって、簡単に上司を『レスペクト』しない。僕たちの知っている米国人の典型的なイメージとは、こんな風だったはずだ。

米国人は、すぐ権利を主張する。また『これは私の仕事ではない』と平気で仕事を突っぱねもする。そこに来て、なぜいまさら、『がんばること』、そして 『レスペクトすること』が、世界でもMBAのトップ校として名高いビジネススクールで議論されているというのだろうか。

長旅で疲れているにもかかわらず、教授は私の目を覗き込みながら教えてくれたのだ。『インターネット時代になって、いろいろな可能性が私たちの目前にあります。まさに情報の時代なのです。一方、情報というノイズがあまりにも大きすぎるために、私たちは本来の判断力を失ってもいるのです。』 カフェインレスの コーヒーを口に含めながら、教授は話を続けた。『合理的なビジネスモデルも、情報時代にあっては、情報選択のミスによって致命的な傷を受けることが増えています。役割と責務を細かく規定して、社員一人一人がばらばらに働く組織では、情報選択のミスを避けることができません。』 

『なるほど』、僕はこのあたりでようやく教授の話がわかってきた。彼女によれば、情報選択の、つまり判断ミスを避けるために、社員はお互いに相手の存在を 『レスペクト』 して、情報の共有化をより一層進める必要があるというのだ。細かく規定された自分の役割を果たせば、それでビジネスがうまくいくというわけにはいかないと、米国人ビジネスマンが言い出しているというのである。

また、社員個人の『がんばり』が大切であるというのだが、これも情報過多の時代ならではの必要性であり、 個人が目先の情報を分析して満足するのではなく、検証を面倒がらずに行うメンタルなタフさが必要だというのだ。『がんばり』とは、そのようなタフネスをさしているとのことだ。

『待てよ』、私はなんともいえない親近感を覚えた。『がんばり』と『レスペクト』 が大切なんて話は、われわれ日本人にとって当たり前のことじゃないか。日本のビジネスマンは以前から、『仕事が終わらなければ残業する』、『職場の人間関係を重視する』 ことを大切にしてきた。最も先進的な米国のMBAコースで、今、『がんばり』 と 『レスペクト』 が、あらためて注目されているという話は、僕にとってとても新鮮であった。

米国の大学教授には一種のカリスマ性がある。一気に話に引き込まれた僕の目の前には、冷めたぺペロンチーノが残されたままだった。

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