チェーン
東京の初雪を見損ねてしまった。なぜなら僕は群馬県にいたからだ。実は僕は群馬の温泉が好きだ。しかし今回の旅は、少し不安があった。というのも、予定では12月はじめに行く予定にしていたものを、急遽変更しなくてはならなくなり、年末の寒い時期になってしまったからだ。
『雪が降るかもしれない。。』これが僕の悩みの種だった。実は僕の車は、なぜかチェーンをタイヤに装備できない。つまり、冬場には向かない車なのだ。特別な車というほどではないのだが、ようはタイヤがちょっと太いこと (245サイズといってわかる人はわかる)、そしてタイヤのアルミホイールが少し普通のものより大きく、タイヤのゴムの部分が少ない。(つまりチェーンがひっかかりにくい。)それに加えて車高が低く、タイヤとカバーの隙間がほとんどない。。(チェーンが入りこむ隙間がほとんどなく、走るとすれて車を傷めてしまうかもしれない。)結局、オートバックスにある国産と外国産すべてのチェーンのスペックを確認してもらったが、最終的にNGとなったのだ。こんなことあるのかと、信じられない思いであった。
もちろんスタッドレスタイヤをはけば、それで問題は解決される。しかしスタッドにする心の準備が今回の温泉旅行には間に合わなかった。今ついている4本のタイヤを夏までの間、どこにしまおうかというアイディアで家族の了承を取れていなかったため、この解決方法は最初から検討していなかったのだ。
そうはいうものの電車で行くにも、四万温泉は不便な場所にある。まだ1歳の娘もいるし、寒い思いをさせて風邪をひかせるわけにもいかない。2003年はまったく天気予報をあてにしないで過ごしてきたが(予報がはずれてばかりいるので)、今回ばかりは、ノーマルタイヤのまま四万温泉に行ってもいいものだろうか、天気予報を含めて、いろいろと情報集めをした。
旅館に電話してみたら、チェーン、もしくはスタッドの準備をしてくださいといわれた。雪は最近降っていないが、予報では全国的に27日は降るといっていたからだ。まあ、旅館は安全を見てそういうだろうに違いない、そう勝手に判断して、ノーマルタイヤで冬の温泉地に向かう旅が始まった。
結果として今回僕はとてもついていたと思う。一日ずれれば、大変だったかもしれない。四万温泉は結構山の上のほうにあり、道路は少し凍結していたが、26日がとても晴れて暖かい日だったために、道路のコンディションは悪くなかった。27日には少し雪が降ったが、つもるほどではなく、かえって日本的な雪景色を楽しめた。今回の温泉旅行は、車の心配をよそに、とても楽しい旅行であった。部屋にプライベートの露天風呂があったことが、今回一番楽しめたポイントである。
ところでスタッドレスタイヤを買うしか方法はないという結論のまま、僕は今後の対策を考えることになった。そんな中、僕が以前ヘッドハントした外資系自動車会社に勤めるビジネスマンがアドバイスしてくれた。彼は僕のよき友人であり、先輩でもあり、特に車に関しては、なんでも相談できるアドバイザーである。「スタッドレスを4本買うのがいいんだけど、アルミホイールを買わないでタイヤだけ買ったらいいですよ。そのほうが安上がりだし、保存も楽だし、軽いですからね。」なるほど。納得した。ただ245サイズのスタッドレスは、やっぱりちょっと割高なのかな、そんなことを考えながら、早速インターネットで検索を始めている。
タイヤのチェーンの問題でこんなに悩むとは思わなかったが、日ごろ自動車業界の仕事を多くしているので、困ったときに相談できる人が身近にいたことはついていた。 あとは、夏場まで4本のタイヤをどこにしまっておくか、家族との交渉が待っている。正直、この最後の難関で僕のスタッドレスタイヤ入手計画は、頓挫するかもしれない。2004年になってもノーマルタイヤをはいている僕の車を見かけても、「あー、交渉に失敗したな。」 と笑わないでほしい。
