エグゼクティブリクルーター/ヘッドハンター
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「デキる上司は休暇が長い」
小松俊明 著 (あさ出版)

2005年10月29日

外資系ヘッドハンターの成功パターンを分析

人材ビジネスといっても、実にその仕事の実態は、さまざまである。派遣、再就職支援、人事コンサルティング、研修、アウトソーシングなどをとりあえず除外して、人材紹介、ヘッドハンティングに絞って、その会社で働く人の名刺を見ると、実に多くのタイトルが並んでいる。たとえば、以下のような具合である。

人材コンサルタント、リクルーター、エグゼクティブリクルーター、キャリアコンサルタント、キャリアアドバイザー、サーチコンサルタント、転職アドバイザー、コンサルタント、、、、、

この中で、外資系のヘッドハンティング会社が好んで使う表現は、コンサルタント、およびエグゼクティブリクルーターである。

ここでは便宜上、「外資系ヘッドハンター」という言葉を使ってみたいが、これも定義しないと、誤解を招く表現であろう。僕が意味する外資系ヘッドハンターとは、「主に外資系企業の採用を担当するヘッドハンター」を指す。所属する人材紹介会社が、日本の会社、もしくは外資系の会社であろうが、ここではあまりモンダイではない。

さて本題に入ろう。今日は、外資系ヘッドハンターの成功パターンを分析してみたい。

以下に書く要素が、外資系ヘッドハンターとして、長期的に成功するために絶対に必要な要件である。(と、ちなみにぼくは考えている。)上の方に記載されていることが得意であればあるほど、他社のヘッドハンターと差がつけやすい。つまり、上の方に記載されているものほど、得意なヘッドハンターが少ないという現状があるということだ。

1)外国人と付き合うことが得意であること
2)英語で高度なコミュニケーションが取れること
3)より給料の高い求人を仕入れ、その仕事に集中すること
4)自分が取り組む求人の領域(業界・職種)が絞れていること
5)Workloadが高いこと(残業のススメではなく、仕事のボリュームを増やす)
6)目標を高く持ち、売り上げに対して強い執着心があること
7)精神的に成熟し、感情にムラがないこと
8)いいモノを瞬時に見極めるセンスがあること
9)仕事のスピードが早く、性格的に粘り強いこと
10)サービスがいいこと

以上である。

1)- 5)は、外資系ヘッドハンターの仕事を途中で挫折しないためには絶対に克服しなければならない条件である。それにもかかわらず、意外なことに、この世界に飛び込んできたヘッドハンター見習いの多くの人は、なぜか、この重大なポイントに気がつかない人が多い。 

1)-5)を実現するために、自分の労力、時間のすべてを投資して欲しいものだ。これをしなければ、外資系ヘッドハンターを目指す人にとっては、実に遠回りしていると僕は断言したい。(外資系をクライアントにしないのならば、1と2は除外できるかもしれない。)

6)-10)は教えられて身につくというよりも、もともとこうした資質を持っている人とそうでない人の2パターンがいるというだけのこと。もし、自らにこうした資質が足りないと感じる人がいるならば、心を入れ替えて、今日から自らの自己変革に取り組んでほしい。本気になれるかどうか、それが差を作る。6)-10)は、備わっている人にとっては、それが当たり前だと思うが、身についていない人が、これから身につけるには、かなりの努力を必要とする。

1)-5)のほうが難しく見えるが、本当に難しいのは、6)-10)なのだ。1)-5)は、僕の言うことを心から信じて取り組めば、いずれ努力した結果が目に見えてくるだろう。英語が苦手な人は、英語のレッスンを始めるべきだ。旅行は英語圏に行き、まとまった休みが取れれば、短期語学留学をしてもいい。

今日のハンター日記は、とても大切なメッセージを書いたつもりだ。興味のある人は、ぜひとも繰り返し読み返してみて欲しい。

これらのことの大切さを理解して、それに取り組む意志のある人は、誰もがいずれ一流の「外資系」ヘッドハンターになれると思う。僕もこれを目指して、日々頑張っている。べつに「外資系」ヘッドハンターだけが、ヘッドハンターではない。ただし、「外資系」ヘッドハンターの世界のほうが、ニッチの世界であり、競争も比較的少ない。また自己投資に対するリターンが格段に大きいとも思う。

後輩たちが、僕に続いてくれることを望んでいる。

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2005年10月23日

シニア候補者との付き合い方

シニア候補者とは何か。年齢が高いこと、職位が高いこと、そのどちらをもさしている。ヘッドハンターは、そのシニア候補者と付き合うことをおそれてはいけない。実際、シニア候補者とよくよく付き合ってみればわかる。中には難しい人(若手を見くだしたり、えらぶった態度をとる人など)もいないこともないが、多くの場合、転職の現場で出会うシニアの候補者の多くは、若手の候補者に比べるとはるかに付き合いやすいことが多い。

それは自分を理解している人が多いからだ。言い換えると、勘違いしている人(自分の実力を過信している人)が若手に比べると少ないということだ。シニアの候補者は、自分の強みや弱みをわかっていることが多い。自分に残されている時間や求人にも限りがあることを承知しているから、若手に比べると謙虚であり、ヘッドハンターとしてはまともに付き合いやすいのだ。若手の場合、自分が何をやりたいのかという意志が固まっていない人も多く、やりにくい。その点、シニアの候補者は成功体験を持っている人が多く、そのパターンで転職をしようという考え方がわかっており、ヘッドハンターや採用企業の発想とのギャップが少ないのだ。

シニアの候補者との付き合いを恐れてはいけない。確かに相手はベテランの人たちで、力も経験もあるから、ヘッドハンターとして緊張するときもあるだろう。ただし、仕事を一緒にやる相手としては、よい相手である。20代・30代の候補者の転職を中心に人材ビジネスに関わっている人も、これからは40代、50代との付き合いも増やしてみてはどうだろうか。

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2005年10月01日

ヘッドハンターという職業に合う性格、合わない性格

外資系ヘッドハンティング会社の職場は、本当に人の出入りが激しい。入社してくる人、辞める人で毎月歓送迎会が忙しい。外国人を多数受け入れていることもその原因のひとつだが、やはりこの職業に対するミスマッチが最大の原因である。入社の時点で、採用基準を非常に甘くしていることも、もうひとつの原因である。玉石混合というと少しいいすぎであるかもしれないが、ひとつの会社で一緒に働いていて、これほど能力の差、モラルの差が生まれている職場は珍しいかもしれない。この点は、外資系ヘッドハンティング会社で働いていて、僕があまり気に入らない点である。一定のミスマッチは避けられないし、普通の会社よりも退職率が高くなるのも、未経験者を採用していく以上、仕方ないとも思う。ただ「けっこう稼ぐチャンスがある」というメリット以外にも、社員が「この会社で働いていてよかった」と思ってもらえるような価値観を提供していく必要があるのではないかと、ぼくはいつも考えている。

さてヘッドハンターという職業には、合う性格と合わない性格があることも明らかである。これだけ成功例、失敗例を見ていると、結局、ヘッドハンターという職業で長く成功できる人が、ある特定の資質を持った人に限られていることが、よく見えてくるのだ。ヘッドハンターという職業は、優秀さの競争ではなく、一種のサバイバルゲームのようなものだな、とふと感じることもある。人生そのものが実際はそういう性質のものであろうとも思う。健康管理なんて文字通りそれをよく示しているし、人間社会のルールは、結局好き嫌いにおうところが多いのも周知の事実だ。

このあたりの僕なりの考えを、ここで紹介してみたい。

まず、我慢強くない人、飽きっぽい人、理屈っぽい人は、ヘッドハンターという仕事を長く続けられないはずだ。つまり、我慢強さ、マメさ、そして柔軟さがヘッドハンターに必要とされる重要な資質であると思う。ヘッドハンターという仕事において売り上げを上げることは、未経験者でも「最低限の基礎能力と顧客基盤」があれば、誰でも遅かれ早かれできるようになる。(これは過去に多くの事例がある。)よって、早く売り上げを上げれるようになるかどうかという点は、それほど評価をする必要はない。(もちろん、覚えが早いことはいいことであるが。)つまり、この仕事の基本をマスターするよう指導したら、あとは顧客基盤さえ提供してあげれば、未経験者でも、やる気さえあれば成果を上げることができるということだ。これは、僕自身これまで未経験者を多数育ててきた経験上、確信を持っていえることだ。

ぼくがなぜ、長く外資系ヘッドハンティング会社でリーダー職を務めてこれたかというと、実は、知識でも判断力でもなく、この顧客基盤が豊富であることに他ならない。経験豊富な人事部長や社長さんがよく言うことだが、Transactional approach をしてくれるヘッドハンターは星の数ほどいるし、そうした人とは一過性のお付き合いになる。Strategic approachをしてくれるヘッドハンターは、一人とおつきあい出来ればそれでいいと言うのだ。わかりやすくいうと、自分よりも一回りも年上の経営者や人事部長に、プロとして認めてもらえるかどうか、ここにポイントがあるのだ。年齢がモンダイなのではない。人物として、年長者、実力者から信頼されるかどうか、それがヘッドハンターの道である。そうした意味では、人間として成熟していくことが大切である。

話を戻そう。ヘッドハンターは、多くの異なる人とかなりプライベートな話をしなければならない場合が多く、その際に相手の人に反発を感じさせるようなアプローチをすることは、命取りになる。やはり、ウェットな人、優しく親切な人、明るい人が人から好まれるのは言うまでもないことだ。ヘッドハンターという職業を無理なく長く続けるためには、人から頼りにされるような精神的な力強さも必要であると思う。そのためには、常日頃から努力を続けて、タフな精神力を身につけていく必要もある。

実際、スポーツはヘッドハンターと相性がいい。運動をしているときに感じる肉体的な苦痛、そしてそれを自分の根性で少し乗り越えるときに感じる爽快感、満足感、この繰り返しが、ヘッドハンターの仕事の特徴である。だからぼくはこの仕事を続ける限り、スポーツジムに通いたいと思っている。スポーツを定期的にすることを、すべてのヘッドハンターにおススメしたい。

ヘッドハンターという仕事は、その実態がとてもわかりにくい仕事である。その仕事のやり方しだいで、中長期的に続けられるヘッドハンターになるか、それとも短期間で終わってしまうか、はっきりとしている。やりようによっては、これほどレベルの高い仕事はほかにはないのではないか、そのようにすら僕は感じている。わかりやすい例で言えば、30代のヘッドハンターが、企業の社長や部長とマンツーマンで仕事をするチャンスがあるわけで、一方、プライベートでもそうした人と信頼関係を作ることができるのだから。やりようによっては、本当に大きな仕事ができる。

世の中のヘッドハンターよ、大志を抱け。

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