デキる人は、デキる人を育てることが難しいといわれるのはなぜか
長ったらしいタイトルになってしまった。「デキる人は、デキる人を育てることが難しいといわれるのはなぜか」、ようは、世の中にトップ営業マンは数多くいるが、それらのトップ営業マンの多くが、同じようなトップ営業マンを育てる営業部長には育たないという指摘である。よく言われることで、目新しい指摘でもなんでもない。営業マンの資質と、営業部長の資質とは、まったく異なるから、こういってしまえば簡単だが、もう少し丁寧に説明をしてみたい。尚、ここでは営業の仕事を例にしているが、実際は、「デキる人は、デキる人を育てることが難しいといわれるのはなぜか」にこたえるわけであり、営業の仕事に限った話ではない。
尚、ここではあえて、デキる人、デキない人という表現をしたが、僕が意味するのは、「デキる人=現在優秀な成績を上げている人」、「デキない人=現在優秀な成績を上げていない人」の意味であり、「デキる人=能力のある人」、「デキない人=能力のない人」の意味ではないので、誤解しないで欲しい。
さてデキる人が、デキる人を育てられないワケであるが、僕は大きく分けて三つあるのではないかと思う。
・デキる人は、「デキない人」の気持ちがわからないから
<解説>
デキる人の常識と、デキない人の常識には乖離があり、デキる人の多くは、自分の常識やペースで物事を考えてしまう。デキない人がどこで悩み、何に躓いているのか、なぜやる気が出ないか、そのあたりの根本的な部分に気がつかないことが多い。東大生が家庭教師をやっても、子供の成績が伸びないという話は、よくあることである。
・デキる人が、「デキない人」を育てながら、同時並行的に自分の成績を維持することが困難だから
<解説>
デキる人が、デキない人を育てるようになると、多くの場合、そのデキる人の成績が落ちるようになる。特に営業組織では要注意である。ようは、育成にかける時間、手間のお陰で、デキる人は、自分の成績を保つためのバランスを失うのである。よほど効率的に、そして戦略的に育成していくプランを立てないことには、デキる人がデキない人を指導することは失敗に終わる。デキない人の育成に失敗するばかりか、デキる人も、デキない人になる危険性がある。
・デキない人をデキる人にするためには、実務的・戦略的・精神的な指導方法を理解する必要があり、個人的にはデキる人も、実際はこうした指導技術を身につけていないから
<解説>
自分の成績がいい人(デキる人)の多くは、その人に対する指導者が良かったケースが多く、ようは、才能を開花してもらったといってもいい。優秀な犬のブリーダーは、本来犬が持っている本能を目覚めさせてあげるという。そのために、色々な指導技術があるのである。こうした指導技術を身につけるためには、デキる指導者の背中を見て覚えるしかない。自分の才能が開花したことと、他人の才能を開花させることは、まったく別の次元の話である。
以上から考えると、対策方法は以下のようになるだろう。
・デキる人はデキない人の気持ちを理解する必要がある
・デキる人は、自分の成績を上げながら、デキない人の成績も上がるよう導いてあげる必要がある
・デキる指導者をみつけ、デキる人の育成技術を身につける
僕なりにまとめると以上のようになるが、実はデキる人の悩みは深いはずだ。なぜなら、デキる人であり続けることが難しい上に、デキない人を育成することに関心を持つものの、自分の成績が落ちかねない。一方、デキる指導者を見つけるといっても、そうなかなか世の中にそうした指導者はいない。仮に見つけることができても、そのデキる指導者と信頼関係を築けるかどうかは、わからない。
最終的にはすべて自分の心がけ次第。謙虚な人、素直な人、努力する人には、救いの手が差しのべられる。チャンスの芽をつぶすのは、結局自分のエゴ、慢心である。
