マネジメントの視点
会社にとって、プラスかマイナスか。現時点の評価、そしてむこう2年の評価。つきつめてみれば、マネジメントの視点とは、このようなものである。
サービスのクオリティーを高めたい、評判の良い会社にしたい、付加価値を提供したい、社員に愛される会社でありたい、これらすべて大切な目標であり、すべての会社が目標に掲げるべき、目標である。
一方、これらの目標を達成するために、会社には社員が必要である。社員は個人の集まりであり、年齢や世代も違えば、個人の趣味志向も違う。まして能力も違うし、スキルも違う。
マネジメントと呼ばれるグループが会社に必要な最大の理由は、上記で掲げたような会社が存続するために重要な目標を継続的に達成するために、社員のパフォーマンスをウオッチし、評価・分析に基づいて改善を求める必要があるからである。トヨタ自動車が理想に掲げるカイゼンの思想のように、常に継続的な自己努力を続けていければ、マネジメントの出る幕もない。ただし現実には、社員のすべてが会社に貢献しているわけではないというのが、事実である。
ここで最初に指摘した話に戻りたい。
会社にとって、プラスかマイナスか。現時点の評価、そしてむこう2年の評価。
ある特定の社員がいるとしよう。彼は現在、プラス評価である。会社が、目標を達成するために必要な人材、つまりプラス評価である。一方、むこう2年についてであるが、彼が望む給料、そして役割をになうには、今の能力、メンタリティーのままでは無理であるとしよう。つまり、今の時点の評価は会社にとってプラスだが、2年後に本人がありたい姿は、会社の期待度の収支で見るとマイナスになるということはよくある話だ。つまり、このままこの人物が成長しないまま期待だけ膨らんで2年がたったとしたら、その人物は不満を抱え、会社の評価もマイナスになる。
この人物を、マネジメントはもう評価することはできない。これがマネジメントの視点である。
ただし、現時点でプラスだからこそ、将来もプラスであって欲しいわけであり、マネジメントたるもの、会社の期待を伝達し、彼の成長をサポートしなければならない。本人が成長できるか、成長したいと思うか、これは本人しだいである。一人に期待を寄せるだけでは会社には失敗するリスクがあるので、複数の人物を競争させるのであり、その結果、将来選抜するのだ。よって、競争に負けるものも出てくるのは、自然であり、それを恐れていては、成長を続ける組織をマネジメントしていくことはできないのだ。
現時点でマイナスの人の場合、短期的に損失だからといって、無理してクビにしようとすることは、会社にとっても得ではない。どちらにしてもマイナスということは会社にとって現在はコストであるということだから、いずれ近いうちに戦力化してプラスになってくれない限り、その当人の希望や感情が動であったとしても、マネジメントは、その個人の社員の存在に影響されて、ビジネスの戦略を考えてはいけない。厳しいようだが、企業にとってマイナスということは、その社員個人にとっても不幸であり、自然とそのような社員は辞めていくことになり、会社もそれを追う必要はない。
マネジメントとはこのような仕事である。もし、このような発想があまり好きになれない人がいるとしたら、マネジメントをしないほうが良いと思う。奇麗事を並べるマネジメントは、実際、マネジメントの仕事をしておらず、その人物そのものが、会社にとってマイナスであることが多いのだ。
マネジメントは、会社を成長させるために、大きな目標を掲げる必要がある。それが、サービスのクオリティーを高めることであり、評判の良い会社にすることであり、付加価値を提供することであり、社員に愛される会社を作ることである。これらすべてを達成してこそ、できるマネジメントなのである。
