強い候補者を並べれば、やはり評価は高い
あたりまえのことかもしれないが、ヘッドハンターの仕事は、「強い人材」(その求人に適した人物)を提案できるかどうか、ここにサービスの本質がある。「弱い候補者」(その求人に必ずしも適切でない人物)をどのように取りつくろってプッシュしても、結果として、本人のパフォーマンスが悪いため、良い結果には結びつかない。
特に、リテーナーの仕事である場合、相手の社長さんなり、いわゆるディシジョンメーカーと相談しながら、ヘッドハンター主導で実際に書類選考に通す3-5名の候補者を絞ることがある。このようなときは、特に自分の判断基準、推薦の論点には強い信念を持つことが大切である。言うまでもなく、強い候補者を推薦しないと、自分の論点も弱くなり、説得力が弱くなるから、人材のセレクションにはとても気を遣う。
現在、ある外資系企業の日本法人社長のサーチをしている。リテーナーである。それも旧知の大手外資系リクルーティング会社の社長自ら、「この分野は自分のところのリクルーターではできないからやってくれないか」と依頼を受けてはじめたという、とても珍しい、いわくつきの案件である。その採用も最近、重要なステージを迎えており、アジアを統括する社長のオーストラリア人が来日して面接をするにあたり、私が推薦した8名の候補者の中から、4名を絞ることにした。
ぼくはこのようなときに、次のことを考慮する。
1) その求人に求められている経験・スキル・人間性が十分にあるか → 当たり前
2) この求人に関心が高いかどうか (本人にどのようなメリットがあるかを冷静に確認)
→ この確認はリテーナーの採集候補者のセレクション時には特に重要
3) タイミングが候補者本人の希望と合うかどうか → これも2番同様重要
2と3の確認をおろそかにすると、どんなに強い候補者を並べても、最終的に関係者にとって望ましい結果は出ないことが多い。「強い候補者を並べれば、やはり評価は高い」といったが、ここでいう「強い候補者」は、上記の1-3番のすべてを満たしている人であり、間違っても1番だけを満たしている人であると、失敗する確率が大きい。
特にリテーナー案件をするときは、採用企業の期待値は、時間との戦いでもあるため、このあたりの判断に細心の注意を払う必要がある。書類選考にヘッドハンターが主導的な役割を果たすことに、とても意味があるのは、1番だけの判断ならば採用企業でもできるが、2-3番に関しては、候補者の本心を見抜かなければならず、そこは候補者とヘッドハンターの信頼関係しだいであるからである。
