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「デキる上司は休暇が長い」
小松俊明 著 (あさ出版)

2007年04月23日

人から嫌われたくない人、嫌われてもいいと思う人

人間観察をしようと思ったら、実は色々な切り口がある。今回は、その中から、「人から嫌われたくない人、嫌われてもいいと思う人」という対比をしてみたいと思う。

こんなことを考えるきっかけになったのは、自分の周りにいる友人の一人から、こんな言葉を聞いたからだ。「○○さんは、人に嫌われたくないんですよ」 なかなか的を得ていると思った。その○○さんは共通の友人であるが、確かに日ごろの本人の言動を見ていると、人に嫌われることを好まない、そんな性格が見え隠れする。

疑問を持った人もいるに違いない。「そもそも人に嫌われることを好む人はいるのか」 面白いことに、この問いかけに対する答えは、一通りではない。人から嫌われたくないという思いが強い人は、「人に嫌われることを好む人はいるわけないじゃない」といって、ここでいったんは思考が停止する。

一方、人に嫌われることに対するストレス耐性がある人の場合、次のような答えがかえってくることが多い。「もちろん人から嫌われたくはないが、場合によっては別に嫌われてもいい。すべての人と仲良くできるわけがないんだし、自分を抑えてまで相手に合わせる必要はないんだから。」

人から嫌われたくない人、嫌われてもいいと思う人・・・このどちらに入る人なのか、それは相手の人と接していればわかるものだ。というのも、多くの人はこのどちらかに二極化されているというよりも、相手を見て、「その特定の相手には嫌われたくない」という言動を取るものだが、まれにどんな場合でも(相手がどんな人でも)、まずは人との争いを避けて通ろうという意識が高い人と遭遇することがあるからだ。

このような人は、多くの場合、とても好人物である場合が多い。穏やかな生活で、ゆるやかに人とつながり、あまりガツガツしていない。人と争うことを面倒だと考えている人もいる。

一方、このタイプの人は損をしていることもある。相手の人がその人の真意を読み取れないことがあるからだ。その人の本当の気持ちがわかりにくい場合もあるからだ。このような人物と遭遇した場合の解決方法は、その人とじっくりと、長い視点で付き合ってみることだ。もともと好人物であるから、「嫌われてもいいと思う人」が思っているほど、「人から嫌われたくない人」は何かをガマンしているわけではないのかもしれない。

人と争わず、穏やかに生きることは、人生を豊かに生きること。自分も早く、その域に達したいものだ。

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2007年04月12日

人材ビジネスの今後

最近、日経新聞や大手新聞に人材ビジネスの記事が取り上げられる回数が増えている気がする。それだけ世間の注目が高まっているということだろう。転職社会も、一部の中小企業や外資系企業にとどまらず、広く日本の大手企業にも浸透している。

人材紹介の大手数社の新聞記事が目に飛び込んでくる。 「数百名のコンサルタントを年内に増員の予定」という。本当?と首を傾げたくもなるが、まあ予定というだけだから、「いい人材がいたら採用したい」ということなのか、それとも最近聞くことが多いが、「新卒にコンサルタントをやらせる」ということなのか。

確かに、人材紹介というサービスは、簡単なビジネスモデルで出来ている。人材を採用したい企業に人材を紹介して採用となれば、それで売上がたつのだから。よって、多くの人材紹介会社が取っている手法、つまり企業から求人を集める人、人材を面接する人、マッチングをする人、これらがそれぞれ分業されて、いわば流れ作業的に人材紹介サービスをベルトコンベア的にこなす方法が、大量に求人をこなしていく場合、一番効率的であるといえる。

それがゆえに、人材紹介会社は規模の拡大を目指し、圧倒的な人数をもってして、市場にある求人を占有しようとしのぎを削っている。いわば、大量生産の競争であり、工場に生産ラインをどんどん導入していくのと同じである。

この世界に生きる人たちを見ていて、僕は少し気の毒な気がする。人材紹介サービスの一端をになっていることは間違いないが、 「採用」(特にマネジャー以上の重要な人材の採用)という、いわば企業にとって生命線である重要なチャレンジに対して、ほとんどインパクトを持っていないからだ。つまり、人材紹介会社でCA、RAという立場で仕事をしている人たちは、人材紹介会社の使い捨てにされているといっても言い過ぎではない現実がある。そしてその世界は、今、過当競争の真っ只中にある。

コンサルタントという仕事は、企業の採用に対して文字とおり、「コンサルタント」として機能することができる。企業の採用に深く関わり、経営層との信頼関係を築き、その企業の重要な決断に大きな影響力を持つ。そして大切なことは、自分が企業の重要課題の解決に関わったことが、まさに長期にわたって蓄積として後にも残ることである。具体的に言うと、自分が紹介した人材が、自分のクライアントである企業の幹部としてその会社で重要な仕事をしていること。そのクライアント企業との関係は、さらに強固なもののになる。

 

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2007年04月02日

人探しという仕事

毎日のように、新しい人と出会う。そんな仕事を始めてから久しい。これが自分の日常であるため、もう感覚的には慣れた。一方、よく考えてみると、不思議な仕事だなあと思うときもある。

ちなみに僕の日常では、「人を探している」という連絡がある。もちろん、迷子を捜しているので館内放送をかけてくれという両親からの依頼ではない。まして東京に家出した息子を探して欲しいという捜索願いでもない。僕に人探しを依頼してくるのは、企業の社長や人事部長であって、探して欲しいといっても探す相手の名前はわかっていない。外見の特徴もわからないし、警察犬に洋服の一部の臭いを嗅がせて追跡できるわけでもない。

困ったことに、探し主は色々と無理難題を言う。「リーダーシップがあり、問題解決ができる人で、英語を使って仕事ができる人。5年はマネジメント経験があったほうがいいし、年齢は40歳くらいまで。年収は○○円くらいが望ましく、半導体製造装置販売の経験がある人。転職回数が多い人はパス。面接は来週、アジア地区のディレクターが来るので、今週中に探して欲しい。」

そんな依頼があった直後は、出来れば大手町や赤坂あたりのオフィス街の街頭に立って、このまま文字通り、拡声器を使って街を歩く人たちに問いかけたくなる。「そんな人いませんか?」って。

まあそんなことは現実的でないとすると、館内放送もなく、まして警察犬も使えない僕としては、この人探し、とりあえずいったんはお手上げとしたい誘惑に駆られる。「僕が探さなくてもいいじゃない」、そんな感じである。

しかしそうもいかないのが現実なのだ。ぼくの二人の子供たちは、父親の稼ぎに頼っているのだ。まるで巣の中で食事を運んでくる親鳥を待ちながら、ピチクパーチク、口を尖らして鳴いている小鳥達のように、子供たちは僕が「人探し」をすることを望んでいる。そう、子供たちに文房具を買ってやるために、父としては、自分が警察犬のように嗅覚、そして人間様特有の知力を使って、猛烈に人探しに走るしかない。人探しを生業(なりわい)としてしまった以上、雨の日も雪の日も犯人を追いかける刑事のごとく、僕らはまだ顔も見えぬ人を求めて日々奔走するしかないのだ。

基本的にやることは刑事と同じ。まずは犯人像を考える。そしてターゲットを絞る。そして聞き込みをはじめる。犯人が隠れていそうな場所(僕らが探している人は隠れているわけではないが)で検問をする。ようは網を張って人がかかってくるのを待つ。犯行の疑いがある容疑者には徹底的に会って調べる。別の事件の犯人に偶然出会うこともある。(ちなみに僕らが探している人は犯罪者ではない。言葉のあやである、失礼。)一方、僕らに情報をくれる人もいる。その情報に基づいて、ガサ入れみたいなこともする。

人探しの仕事に共通するのは、「イマジネーション」を膨らませることの大切さ。探す人は、どのあたりに生息している人か、どんな特徴を持っている人か、具体的なプロファイリングをして、イメージを3,4パターン持つことである。コツは、その際に、探し主が言ったことをすべて鵜呑みにしないことである。たとえば、「英語で面接を受けることができる程度の英語力を持ち、45歳くらいまでで、外資の製造業で営業管理職としての実績がある人」、こんなくらいに大きく網を張るのである。

刑事と決定的に違う(そうあってほしい)のは、僕らは探し主に対して、犯人を仕立て上げ、何人もの人を「この人じゃないか」と送り込むことだ。ようは最終的に相思相愛になればいいのだ。ここからは、結婚相談所の世界に近づいてくる。最初は「高学歴で、185cm以上で、速見もこみち風のルックスで、頭も良くて、年収は最低でも1000万円以上、腹筋がしまった肩幅の広い人、35歳以下で、長男は嫌、センスのいい趣味を持っていて、もちろんやさしくて誠実な人で私だけを愛してくれる人」なんていう要望が出ていただろうが、最終的には「誠実そうな39歳、身長は172cmくらい、ちょっとメタボのきらいはあるがデブじゃない、長男だけど親はまだ元気で同居の話はでていない、年収は700万、中堅商社に勤める課長補佐、地方の国立大学を卒業し、昔の風間トオル風のルックスで元サーファー」という人に落ち着いたりする。

ちなみにこれは妥協ではない。これから二人の関係が始まるときに、大切なのは世間体でもなければ、ルックスだけでもない、その人物のやる気しだいである。そして最初は一方的に高い理想を掲げていたとしても、結局はお互いにお似合いなカップルができる。

企業の採用も、原則は同じ。

どんなに理想を並べたところで、最終的に採用が成功か失敗か、それは適材適所であるか、本人のモチベーションが高いかどうかにかかっている。採用してみなければわからないのだ。そして夫婦も同じ。一緒に生活してみなければ、相手のことなんかまったくわからないものだ。

人探しという仕事。なかなか奥が深くて面白い。

 



 

 

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